🔶「黒星病」気がついたら、葉に黒い斑点が!?
黒星病(黒点病)とは、カビの一種で、
主に湿気の多い梅雨から夏までに多く見られます。
葉に黒い斑点が出来て、それが大きく拡がっていき、やがて葉が落ちます。
葉っぱは、陽を浴びて養分を作ったり、気化熱により体温を下げたりする植物が成長するのに必要です。
その大事な葉がみるみる落ちていってしまうのは、バラを育てる人にとって、非常に迷惑な病気です。
投稿者:ロザリオン
縁側で庭の花を眺めるのが好き。いつの間にやら100本以上のバラが育ってます。
🔶放置したら枯れてしまう?
品種にもよりますが、我が家では、ひどくなると3分の2ほどの葉は落ちてしまいます。
ただし枯れたことは今までありません。
黒星病の発生が本格的になるのは、主に梅雨入り後です。
四季咲きの大きな個体であれば、春に花を咲かせた後、夏に黒星病で葉を失っても、その後めげずに芽が出て、秋から初冬にまた花を咲かせてくれますし、「一季咲き」のバラは、春にしか花が咲かないので、黒星病にかかっても特に対処はしていません。
ただし、迎えたばかりの「新苗・大苗」など、体が小さな個体には、成長を妨げるリスクの高い病気かも知れません。
枯れることも考えられるので、雨に当たらない場所に移動するなどの対処をしています。
🔶こんな時は、黒星病の対策をしましょう
●まだ小さいバラ苗の葉を極力減らさずに、元気に育てたい
●四季咲きバラを春、秋だけでなく、夏も咲かせたい
●秋の花も充実させたい
という場合は、充実した株姿を維持するために黒星病の対策を行いましょう。
🔶黒星病の対策3つ
◇①雨に当てない
黒星病の原因は、主に雨です。
土壌に降った雨がはねて葉っぱに付着し、また、数時間乾かない環境だと、感染リスクが高まります。
なので、原因となる雨に当てないのがベストです。
ベランダや軒下などの雨が当たらない場所に置くだけで十分な予防になります。
我が家の軒下や縁側で育てているバラや、母の家のベランダのバラは、黒星病になっているのをほとんど見かけません。
◇②「殺菌剤」を枝葉に散布する
特に雨ざらしで育てているバラには、効果的です。
「殺菌剤」は、スプレータイプと、水で希釈して使う乳剤や顆粒・粉状など様々なタイプがあります。
スプレータイプは、そのまま使えてお手軽。
希釈するタイプは、作った分は日持ちしないので、毎回作るのが手間ですが、経済的。
育てているバラの数や大きさで決めると良いです。
鉢バラ5本程度までなら、スプレータイプ、それ以上なら、希釈タイプがオススメです。
初めてバラを育てる方は、まずは「スプレータイプ」を選びましょう。
薬剤はローテーションしましょう
各薬剤には、種類があり、それぞれ菌に対する作用が違います。
同じ種類の薬剤を連続して使用すると、菌に耐性が付いて、薬剤の効果が落ちてしまうので、一般的には、違う成分の2、3種類以上の薬剤をローテーションして(交互)に使用します。
スプレータイプ色々
成分の違う系統のスプレーを2種類以上は持ってると、安心です。
※害虫にも効く「殺菌殺虫剤」なるものもあります。
・ベニカXネクストスプレー【殺虫殺菌】
(殺菌成分:ストロビルリン系)
・ベニカXファインスプレー【殺虫殺菌】
(殺菌成分:アニリノピリミジン系)
・マイローズ殺菌スプレー【殺菌】
(殺菌成分:EBI系)
・モストップジン【殺虫殺菌】
(殺菌成分:ベンゾイミダゾール系)
薬剤の系統は、アニリノピリミジン系、EBI系統、ベンゾイミダゾール系など、色々あるのですが、製品名では見分けがつかず、殺虫成分なども含まれると、慣れるまではピンと来ないので、初めはローテーション用セットで購入するのがオススメです。
使用する期間
どこまで防ぎたいかにもよりますが、春から晩夏、遅くても梅雨前には始めたほうが良いです。
我が家では、梅雨前から8、9月頃まで様子を見ながら行っています。春でも長雨の予報があれば、いつもより早めに行うときもあります。
使用頻度
10日〜2週間に一度が一般的です。
我が家での使用期間と頻度は、品種によって変えています。10日〜1か月に一度。
成長を妨げたくない小さな苗や、四季咲きの鉢バラにはこまめに。6月頃に返り咲く品種は、花が終わったら、使用をやめます。
地植えの大きくなったバラは、原則未使用です。
ただし、雨ざらしの環境では、殺菌剤を使っても症状の拡大を減らす事はできますが、完全に予防するのはなかなか難しいです。
◇③黒星病に強いバラを選ぶ
同じ環境下で育てても、品種によって、病気に対しての耐性は大きく違います。
画像左は「ゴールデンセレブレーション」で、株の下部はかなり黒星病で葉を失っています。画像右は「オリビアローズオースチン」で黒星病と見られる葉は1枚もありません。
「オリビアローズオースチン」は、黒星病に嫌われてますね。
育てたいバラを探しているのであれば、
始めから病気に強い品種を選ぶのが、かなりおすすめです。
薬剤散布は、不要か最小限で済みます。
黒星病だらけの「ゴールデンセレブレーション」の見苦しい姿をお見せしましたが、秋には立派な花が咲きます。
このバラは、樹勢が強い品種です。
また我が家では、地植えにしていて大きく育っているので、葉を無くしても、黒星病をもろともせず、新しい枝葉がグングン伸びていきます。そういう強さのバラもあります。
🔶黒星病に強い品種5選
雨ざらしの状態で実際に数年育てている中で、黒星病に嫌われている強い品種のトップ5をご紹介します。
◇ナエマ
病気にも強いし、樹勢も良いです。
なおかつ、強香のソフトピンクのバラです。
雨ざらしの環境で育てていますが、雨が多い7月でも、葉はキレイです。
以下の記事も参考にして下さい。
◇オリビアローズオースチン
病気知らずのバラです。樹勢は普通で鉢植えにも向いています。香りは微香です。
◇クリスティアーナ
中心部がピンクの白バラです。
病気に強く、樹勢はやや良いです。
つる性が強いです。香りは中香。
◇グレーフインディアナ
赤色も深い赤で花形も色も気に入っています。キンモクセイの真下に置いているので、雨が降った後も乾きづらく、黒星病になりやすい環境下なのですが、葉はキレイです。
とても病気に強い赤バラで、香りも良いです。
◇フロレンティーナ
鮮やかな赤のバラです。つる性バラなので、大きくなります。
香りは無いですが、花持ちが良く切り花向き。
以下の記事も参考にして下さい。
🔶春だけの一季咲き品種3選
黒星病の発生が本格化するのは、春を過ぎた梅雨入り後なので、春だけ咲く「一季咲き」品種を選ぶのもおすすめです。
一季咲き品種は、春に開花の全てをかけるので、咲く量が半端じゃないです。
春だけで満足出来てしまう豪華な咲きっぷりですし、春以降は無農薬でも管理が可能です。
木が大きくなればなるほど、落ち葉の掃除が大変にはなりますが。
◇スパニッシュビューティ
つる性バラです。大きくなります。
フリルのピンク花がとても美しく、誘引している壁面の下に立つと、時折香りのシャワーを浴びられます。
家族みんな大好きなバラです。
◇つるクリムソングローリー
これぞバラという感じの深い赤バラです。
つる性なので、大きくなります。
香りはダマスクの強香で、フェンスに誘引していますが、香りの壁です。
アンティークな花形もとても気に入っています。
◇マダムアルディ
白バラの人気オールドローズです。つる性で良く伸びます。枝は細めなので、8号鉢で縦に伸ばして横のスペースを取らずに育てられています。香りは強香。花の中心のグリーンアイが特徴です。
🔶まとめ
どうしても咲かせたいバラは、雨の当たらない軒下に置きつつ、殺菌剤や、殺虫剤などもこまめに行います。
私は、迎えたばかりの新苗・大苗に対しては、どうしても高待遇にしてしまいがちなんです。
11月までは朝夜の気温変化も激しく、雨もちょいちょい降りますので、バラを脅かすうどんこ病、黒星病などもしぶとく活動を続けています。
こまめに様子を見て、早期発見・対処したいところです。
今回は、黒星病対策の紹介でした。
今回はこの辺で。
ありがとうございました!
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