ブッシュ仕立てのつるバラ「ナエマ」冬剪定!どこで切る?丨失敗しない実践ガイド

バラ

12月のナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
「ナエマ」12月

秋の「ナエマ」です。

現在の高さは、フェンスが1.5mなので、地上から3mほどの高さ。ブッシュ仕立てにしているので、枝がグングン上に伸びます。

切る位置で困っていませんか。私もフェンスの向こう側は道路なので、ご近所の目が気になったり、隣のバラとも極力干渉しないようにしながら、毎年美しい花を咲かせるための切る位置を試行錯誤しています。

この記事を読むと、冬剪定の切る位置が自分で考えられるようになります。

今回は、春の開花に向けてブッシュ仕立てにしている「ナエマ」を冬剪定したいと思います。

冬剪定で高さを揃える(春ナエマ)  ソフトピンクの四季咲き強香バラ
冬剪定で高さを揃えた春ナエマ

冬は毎年、1mほどにバッサリと剪定します。

のつぼみは真っ赤に色付き、春とは少し違った趣きです。
若干花数は減りますが、気温が低いせいか、花持ちがとても良くなります

秋のナエマの花とつぼみ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
秋のナエマの花とつぼみ

12月に入ると、徐々に花が少なくなり、下部の枝が赤褐色にり、葉が落ちてきます。
つぼみは残りますが、気温が下がるとともに花は開かなくなります。
いよいよ剪定時期です。

剪定にかかる時間はだいたい切るのに30分、切った枝と葉っぱ拾いに10分くらいです。

ロザリオン近影

投稿者:ロザリオン
栽培歴は、15、6年。いまだに試行錯誤の繰り返しで楽しみが尽きないです。

「バラのこと、少しずつみんなで一緒に知っていけたらと思います。」

縁側で庭の花を眺めるのが好き。いつの間にか、100本以上のバラが育ってます。

Instagramでは育成の様子や開花リールも配信中♪👉 @rosalion_garden

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◇ブッシュ仕立てとは

ナエマ5月  ソフトピンクの四季咲き強香バラ
「ナエマ」5月

ブッシュ仕立ては、枝を曲げたりせずに、自然に伸ばす仕立て方です。

ナエマはつるバラですが、太いシュート(メインの枝)の発生が旺盛で、上に高く伸びても自立します。

ハイブリッドティーなどの木立性(ブッシュタイプ)バラのようにも育てられます。

◇つる性バラのブッシュ仕立てする魅力とは?

「ナエマ」に限っての話ではないですが、つる性のバラをあえてブッシュ仕立てにすると、木立性(ブッシュタイプ)バラとはまた違った特徴、株姿、咲き姿が楽しめます。

■ブッシュ仕立て3つの魅力

  • お手入れ簡単!伸びた分を切るだけ!
  • バラにストレスがかからない
  • 咲き姿が美しい

①お手入れ簡単!伸びた分を切るだけ!

「ナエマ」のように、枝が太く自立するタイプはブッシュ仕立てに向いています

フェンスや、壁面などに誘引するのも楽しいですが、枝が太くて堅い品種だと、曲げて目的の位置に固定するのに苦労することも。

ブッシュ仕立ては、基本、伸びた分の枝をお好みの高さに短くするだけなので、管理が楽です。

②バラにストレスがかからない

枝を曲げず、自然に伸ばすので、バラがストレス無くのびのび育ちます

③咲き姿が美しい

秋のナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
秋の「ナエマ」

上に向かって伸びたしっかりした枝は、
てっぺんで立派な花を咲かせます。
品種にもよりますが、「ナエマ」は房咲きになります。

木が大きくなって、メインの枝が増えてくると、花の絨毯のようです。

本当にキレイです。

◇冬剪定は必要なの?

ナエマの枝 3m  ソフトピンクの四季咲き強香バラ
ナエマの枝(現在3メートル)

自分好みのサイズに木を調整するために行います。

庭にスペースがあれば、のびのび育てるのに越したことないので、実施しなくてもOKです。

はバラの休眠期になり、枝の剪定や、根元を掘り起こして傷んだ根を切って整理しても、バラがストレスを感じにくいので剪定するには良い時期です。

ロザリオン
ロザリオン

悩ましいぐらいに元気。

元気が良くてなによりなのですが、

目線の高さで花を鑑賞したいので、

我が家は「夏」と「冬」の年2回剪定が必要です。

夏剪定は、以下を参考にしてください。

◯剪定の目的

品種や、仕立て方によって様々ですが、剪定目的をまとめました。

※我が家の「ナエマ」の場合

■剪定目的

  • 春に目線の高さで花を鑑賞したい
  • 病害虫予防のため、風通しを良くしたい
  • フェンスから枝が飛び出して、ご近所の迷惑にならないよう維持したい

まとめると、伸びた枝を短くして、混み合った枝を間引くです。

◇仕立て方(切る位置、切る枝の選別)

ナエマ剪定前  ソフトピンクの四季咲き強香バラ
剪定前

それでは剪定です。
高さは約1で切ります。
春にそこから花枝(ステム)が7、80cmほど伸びて、2m超えない程度の高さで花が咲きます。

ちょうど、花がフェンスから顔を出す高さです。

ここは好みなので、フェンス内に収めたいなら、50cmでも良いと思います。

◯準備するもの

バラの冬剪定で使う道具
冬剪定で使う道具

手をトゲで傷つけないための「ガーデングローブ」、枝を切る「剪定バサミ」、切った枝を処分する「ゴミ袋」

3つは必要です。

必須ではないですが「剪定用ノコギリ」「癒合剤」もあったほうが後々役に立ちます。

ナエマの太い枝は固くて、剪定バサミでも切るのが大変なのでノコギリを使うと楽です。また、癒合剤は、枝の切り口の保護に使います。

剪定バサミの手入れの仕方は以下の記事も参考にして下さい。

◯剪定箇所に見当をつける

準備が整ったら、葉を全て取り除き、ざっくり上の方の枝を切ります。

葉っぱがなくなると、株全体の状態が見えてくるので、剪定する高さと、不要な枝のおおよその見当をつけます。

剪定箇所を赤線で表示 ソフトピンクの四季咲き強香バラ
およその剪定箇所を赤で表示

見やすくなったところで、切りたい枝を確認します。
株元から枝をたどって行くと、失敗が少ないです

ロザリオン
ロザリオン

どこを切ればいいのかいつも悩みます。どれも良い枝ばかりに見えてくる。

もんじ
もんじ

見当が付いたら、あとは思い切って行こうよ

良い枝を優先して残し、不要な枝は思い切って切ります。
判断ポイントを3つに絞りました。

■不要な枝の判断ポイント3

  1. 枯れた枝
  2. 日が当たりそうもない枝
  3. 枝が交差して混みあっている箇所

不要な枝の例①

バラ剪定 不要な枝① ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
不要な枝①:同じ方向に伸びている枝

日が当たりづらいと思う枝赤線の位置(枝元)から切りました。

奥の枝たちの中に突っ込んでいたのと、内側に入り込んでました。と思います。

不要な枝の例②

バラ剪定 不要な枝② ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
不要な枝②:内側から出ている

1本の枝から3本脇枝が出ています。

一番細くて、内側から伸びている枝を枝元から切りました。

不要な枝の例③

バラ剪定 不要な枝③ ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
不要な枝③:ブラインドしている枝

日当たりが悪かったのか、養分が足らなかったのか、途中で成長が止まってしまった枝(赤点線)です。

脇から枝が出ていますが、すぐ右に太い枝が出ているので、日が当たらないと考えて枝元から切りました。

不要な枝の例④

バラ剪定 不要な枝④ ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
不要な枝④:枝が混みあっている

横に伸びて他の枝の邪魔になっていたり、細い枝がフェンス周辺で混み合っていましたので、赤線の箇所で切りました。

切った枝はどれもしっかりした枝だったので、もったいないんですが、
春になって、他の枝から葉が沢山出てくると、結局、日が当たらずあまり成長しない枝です。
全体的に見て、今回は不要と考えました。

不要な枝を剪定後 ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
不要な枝を剪定後

株の中がスッキリしました。

◯残した枝の高さを揃えます 

ある程度、不要な枝を間引いたら、残すべき枝の高さを短くします。

バラ剪定 高さを揃える ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
剪定して高さを短くしたところ

赤点線の箇所が芽です。フェンス側は枝があるので、フェンスの反対を向いている芽の上で切りました。

剪定するときは、芽の位置を確認して、良い芽の5mmぐらい上を切ります。

目的の高さピッタリに良い芽があるとは限らないので、ある程度高さは前後してしまいます。

バラや多くの植物には、頂芽優勢という性質があり、枝の高いところに養分が集まり、そこに付いてる芽から枝葉が伸びます。

良い芽のすぐ上を切るのは、そこから枝が伸びてくると予想。

◯フェンス側の枝は内芽で切る

フェンスの隙間から、道路側に枝を飛び出させたくないので、フェンス側の枝は内芽(フェンスと反対を向く)で切りました。

トントン拍子にうまく行かないもので、内芽で切れない枝も。

バラ剪定 芽の位置 ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
良い芽の向きが外側

ちょうど切りたい高さの芽がフェンスの外を向いてます。

このまま芽が伸びると、フェンスの外に枝が飛び出しそうな感じです。

かと言って、もっと下の方で切ると、日当たりが悪くなりそうな場所です。

バラ剪定 フェンスに固定 ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
麻ひもでフェンスに固定

枝を少し左に持っていって、麻ひもでフェンスに固定して対策しました。

これで、フェンスに沿って内側に伸びていってくれるかなと思います。

◯切り口に癒合剤を塗ります

切り口に癒合剤を塗布 バラ剪定 ナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
切り口に癒合剤を塗布

一応、切り口に殺菌癒合剤を塗布しました。
必須ではないですが。

この「トップジンMペースト」は、以前、一季咲きのつるバラ「スパニッシュビューティー」がカミキリムシに酷くかじられた時に大活躍しました。
何かというと使ってしまいます。手放せません。

ナエマ 冬剪定後 ソフトピンクの四季咲き強香バラ
剪定後

冬剪定完了です。サッパリしました。

ロザリオン
ロザリオン

あとは春を待つだけですね

もみ
もみ

もっと切れるんじゃない?

洗濯物にトゲが引っ掛からないかしら?

ロザリオン
ロザリオン

私にしては切った方。
今年はこれで様子見お願いします。

◇冬剪定の目的と剪定内容まとめ


【冬剪定の目的】
 ①フェンスから顔を出すように咲かせたい(フェンスの高さ1.5m)
 ②病害虫予防のため、風通しを良くしたい
 ③フェンスの隙間から枝を飛び出させたくない

【ナエマの枝の伸び方
 春に花枝(ステム)が70cm〜80cm真上に伸びる

【剪定内容】
 ①地面から1m前後の高さで剪定した
  
フェンスから20cm〜30cm花が顔をを出すように
 ②不要な枝(枯れ枝、日当たりが悪い、混みあっている枝)を切った
 ③枝の飛び出しを防ぐため、内芽(フェンスの反対向き)で切った

春のナエマ ソフトピンクの四季咲き強香バラ
春の「ナエマ」

以上、ブッシュ仕立て「ナエマ」の冬剪定でした。
今年の春も、1面のソフトピンクの花と、漂う香りを想像すると、今からもう楽しみです。

ブッシュ仕立てに向く品種

「ナエマ」と似た特徴を持つ、つるバラであれば、ブッシュ仕立てはおすすめです。

 【ナエマの特徴】
 ・太い枝(シュート)の発生が旺盛
 ・枝が真上に伸びる、横に拡がりにくい
 ・高く伸びても自立する
 ・太い枝(ペンほどの太さ)ほど良い花を付ける
 ・樹勢が良く、枝がぐんぐん伸びるので、
  切りすぎて失敗しても立ち直りが早い

○我が家でブッシュ仕立てのその他のバラ

ブッシュ仕立てにしている品種は、「オデュッセイア」、「アイスバーグ」、「ソニアリキエル」、「ムンステッドウッド」、「ポールボキューズ」など。

中でも、「ポールボキューズ」は、サーモンピンク色の花が房咲きしてとても美しく、太い枝が直立して伸びる点は「ナエマ」と性質が近いです。

「ポールボキューズ」は、「ナエマ」ほどは背が高くならないので、伸びすぎると困る方はおすすめです。

今回はこの辺で。
ありがとうございました!


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