今回は、地植えしてあるデルバールの人気バラ「ローズポンパドール」を、アーチ誘引しました。
◇誘引に適した時期
バラが葉を落として休眠期に入る1月、2月頃まで。今年は1月7日に行いました。
地植えのバラは同時に寒肥もしました。
「つるジュリア」の寒肥をした時にまとめた記事がありますので、良かったら参考にして下さい。
では誘引作業の手順と注意点などをご紹介します。
投稿者:ロザリオン
縁側で庭の花を眺めるのが好き。いつの間にやら100本以上のバラが育ってます。
◇誘引作業前、作業後
作業前の状態です。上の方(アーチのてっぺん辺り)は細い枝がたくさん出て混み合っており、逆に株元の方は枝が少なめです。
長くて立派な枝2本をアーチの両端に誘引し、残った枝で空いたスペースを埋めるようにしました。
上のほうの混み合っている箇所は、
日が当たらない細い枝を枝元で切りスッキリさせました。
下のほうは、ボリューム不足なので、細い枝も切らずに残しました。
花芽を増やすために短めで太めの枝を1本、横に曲げて下の方に誘引してます。
※作業中に起きた問題
2件あって、1件目はアーチの内側に伸びてしまった枝。
アーチのサイドバー(連結棒)が邪魔で枝を外側に戻せない。
勿体ないから切りたくないので、どうやって外側に戻そうか考えました。
結果、サイドバーをゆるめて上にスライド。
スペースが空くので、枝を曲げずに外側に戻せました。サイドバーが動かせる仕様で助かりました。
2件目は、誘引中に立派な枝を元からポッキリ折ってしまいました。。。
こういうことが起きないように、いつもは枝元から、誘引しているのですが、うっかりやってしまいましたね。
この辺りのトラブルについては、このあと詳しくご紹介します。
◇準備するもの
準備するものは主に3つです。
- 手袋(革製もしくは、「耐突刺性」と記載のあるものがおすすめ)
- 麻ひも
- はさみ(麻ひもを切る用)
- +ドライバーなど(組み立て式アーチ使用時)
◇誘引作業の手順
私がやるときの作業手順です。
- 固定していた枝を一旦ほどく
- 太くて長い枝から順番にアーチに誘引
- 残った枝で空いたスペースを埋める(伸ばすか、曲げるか)
- 枝の固定後、遠目から全体確認
1.固定していた枝を一旦ほどく
もともと、アーチに誘引してたので、固定していた枝の紐を一旦、全てほどきました。
枝が結構絡まってます。
さぁどう誘引するか、まずはアーチの外側に全ての枝を持ってきたいのですが、ここで問題発生。
※問題1件目 枝がアーチに絡まっている
サイドバー(連結棒)が邪魔して、枝をアーチの外側に出せない状況。
庭の警備が。。。僕が見回りしづらい。
宅急便のお兄さんが吠えられなくなつて良いかもね。
こういう時、組立式のアーチだと、分解できるので解決出来ることが多いです。
プラスチック製の家庭用アーチです。
サイドバーを外すか、ずらせれば、枝を無理に曲げずにアーチ外側に移動できそうです。
■サイドバーのスライド方法
サイドバーは2ヶ所のビスで固定されています。アーチのサイドバー(連結棒)は、
ビスを外すと、上下にスライドします。
1 ビス穴の位置がわからなくなるので、印をつける
2 ビスを、プラス(+)ドライバーで外す
3 棒がフリーになって動かせるようになるので、上にスライドさせる。
4 枝を外側に出して、サイドバーを戻しましょう。
サイドバーを上にスライドさせて、枝を無理に曲げずに外側に出せました。サイドバーを戻すのもかんたんです。
アーチは家庭用の組み立て式がおすすめです。
2.太くて長い枝から順番にアーチに固定
去年、誘引したひもをほどいて、枝をフリーにさせたら、今年のための誘引をします。
作業に入る前に、誘引にあたって知っておきたいつるバラの特徴が3つあります。
◇つるバラの特徴3つ
誘引するにあたって、つるバラの特徴を3点だけ押さえておきましょう。
- ペンより太くしまった枝に花を付ける
- 枝先を上に向けると、枝先に集中して花が咲く
- 枝を曲げて水平にすると、均一に花が咲く
①ペンより太くしまった枝に花を付ける
花を咲かせたい場所には、太くてしまった枝を使いましょう。
一般的には「鉛筆より太い枝」が理想と言われています。
画像に写ってるペンは鉛筆と比べると少し太めなので、もう少し細い枝でも大丈夫です。
②枝先を上に向けると、枝先に集中して花が咲く
枝を上に向けている例です。
枝や花を成長させる養分は、高いところの先っちょに集まりやすいです。
もちろん、枝の途中に花芽が付くこともありますが、数は少なくなります。
上の画像はちょっと極端な例ですが、上に向けると枝先の育ちが良い。
この「マダムアルディ」には、どんどん伸びてもらいたいので、上を向けて誘引しています。
下の方からも芽は出てきていますが、「マダムアルディ」などのオールドローズは、その性質が特に顕著なようです。
③枝を曲げて水平にすると、均一に花が咲く
枝を曲げると、水平にした箇所から均一に芽が出て、結果、花数が増えます。
枝先は、上を向けた時と比べると、当然、成長の勢いが弱くなります。
※枝先を下に向けると、曲げたカーブした辺りから芽が出ますが、下を向いた枝先は弱って枯れることが多いです。(品種によって例外有り)
以上、誘引するにあたってのつるバラの特徴3点でした。これをふまえて作業します。
原則、やりたいようにやれば良いのですが、この3つだけでも知ってると、花が咲く場所の予想が付くので、誘引が楽しくなります。
私はまず、1番太くて長い枝を見つけて、それを枝の伸び方に沿って麻ひもで、固定します。
枝の結び方は、アーチに直接触れて枝が傷付かないように、枝とアーチの間にひもが挟まるように固定します。
先にアーチにひもを結び付けてから、枝を結ぶとやりやすいです。
まっすぐ伸びてれば、そのまままっすぐ。途中で曲がっていれば、枝に沿って曲がったまま固定します。
とりあえずは、枝の赴くままに固定していきます。
アーチから極端にはみ出てしまう場合は、枝を強制的に曲げてアーチ内に収まるようにします。
次に立派な枝は、1番立派な枝から離すようにして誘引。1番目がアーチの左端なら、2番目は右端にというように進めていきます。
問題2件目 無理に曲げたら枝が折れた
はい。誘引してたらうっかり枝を折ってしまいました。
特に立派な枝だと泣けてきます。
枝の生え際は折れやすいので注意です。
曲げたい枝の生え際に直接、力がかからないように、曲げたい所の手前で最低1か所は、ひもで固定した方が良いです。
例えば、
下の画像の枝、アーチの右端からはみ出してるので、青矢印の方向(左)に曲げたいのですが、固定しないままやると、赤丸で囲んだT字形の生え際に力がかかります。
そのまま曲げ続けると、限界が来たときに、なんの前触れもなく「パキッ」と折れます。
粗挽きソーセージのごとく折れます。
枝は生え際が弱いので、上の画像の緑の結び目マークのところをひもで固定してから曲げましょう。
生え際に力がかからないので、折れづらくなります。少し曲げてみて心配なときは2箇所くらい固定しましょう。
その他にデンジャラスな例ですと、下の画像。
このまま青矢印方向に曲げると、赤丸部分の生え際が折れます。
見ずらいので、アップにします。
赤丸が枝の生え際です。緑丸で囲んだ所をひもで固定しました。
とにかく枝を曲げるときは、生え際に力がかからないように、ひもで固定してから曲げましょう。
3.残った枝で空いたスペースを埋める(まっすぐ伸ばすか、曲げるのか)
3番目以降も引き続き、バラの特徴3点と、枝を折らない様に気を付けながら、空いたスペースを埋めるように誘引していきます。
4.枝の固定後、遠目から全体確認
作業が終わったら、一歩引いて全体を確認しましょう。
気になるところがあれば、直して完了です。
今年の誘引は上記の画像のようになりました。
枝が絡まっていたり、折ってしまったりと色々ありましたが、どのように咲いてくれるのか。
楽しみです。
◇その後、4月
上から下まで、まんべんなくつぼみをたくさんつけてくれました!
4月中には咲きはじめるんじゃないかと。
期待を裏切らないなぁ「ローズポンパドール」。
家庭用アーチにピッタリな品種だと思います。
めちゃくちゃ楽しみです。
では、今回はこの辺で。ありがとうございました。
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