地植えバラの一大イベント「寒肥」(かんごえ)を行いました。
バラの木の周囲の土を掘るので、そのついでに天地返しのように、表面の土と下の方の土を入れ替えて、土のリフレッシュもしたいと思います。
◆「寒肥」とは
冬期(12月〜2月頃)に入ると、バラは休眠状態に入ります。
その間に葉はほぼ落ちてしまい、活動を休止するので、枝を短く剪定したり、根を傷つけてしまうような鉢替えなどの作業するのに絶好のタイミングです。
「寒肥」は、地植えバラの株元周囲に穴を掘り、肥料を混ぜ込む施肥の方法です。
バラの周囲を掘るため根を傷つけやすいので、冬期に行います。
投稿者:ロザリオン
縁側で庭の花を眺めるのが好き。いつの間にやら100本以上のバラが育ってます。
◆「寒肥」はなぜ必要?
「寒肥」するメリットは、3つあります。
1つ目は、地植えバラの施肥は、寒肥だけしておけば、1年間、肥料やり不要です。
施した油かす等の有機肥料は、地温が上昇にするにつれ、分解され、春頃にバラに効いてきます。
また2つ目に一緒に堆肥も混ぜれば土壌改善も期待出来ます。
さらに3つ目に、土を掘り起こしたことで、土中に空気が入り、土がフカフカになります。
は
「寒肥」は一石三鳥。地植えのバラにはやらない手はないですね。
◆ついでに土をリフレッシュします
土の表面は、一年も立つと、雑草だらけ。
定期的に草取りもしますが、根っこまでは引き抜けず残っていたりします。
夏〜秋の草むしりでは、伸びた雑草を短くむしるくらいなので、すぐ伸びてきてしまいます。
草をちぎっては捨て、ちぎっては捨て。
と、言うわけで一年に一度くらいは、土の表面もキレイにしたいので、この寒肥の時期にどうせ穴を掘るなら、
表面の土5cmくらいを20cmくらい下の土と入れ替えます。
天地返しのように表面と下の土と入れ替えると、小さい雑草の根や、種が除去できるので、生える雑草が軽減します。
先ほども書きましたが、土を掘り起こす事で、土中に空気が入り、フカフカになります。
現在、狭い庭の中に15株のバラを地植えしているので、なかなか骨が折れる作業ですが、コツを掴んでしまえば、かかる時間は「寒肥」ついでに一株15分ぐらいで完了できます。
◆寒肥を行う時期
寒肥の時期は、八王子市の我が家では、12月の下旬〜2月中旬までには済ませるようにしています。
気温が低くなると、バラは休眠期に入り活動を休止するので、根を傷つけそうな作業は、冬の時期が良いタイミングです。
葉が黄色くなってきて、触れただけでパラパラ落ちてくるぐらいが頃合いだと思います。
なかには、2月に入っても、葉っぱが青々としているバラもおりますが、葉を軽く引っ張って外れるものは取っています。
高いところの葉っぱはそのままにしてあるよね
まぁね、面倒くさいので、つい
用意するもの主に3つ
それでは、寒肥の準備です。
用意するものは、主に穴を掘る道具と、ハサミ、堆肥・肥料、手袋の3つ。他には、根切り用に「ハサミ」、雑草の葉や根っこを処分する「ゴミ袋」があると便利です。
■用意するもの
- 汚れても良い手袋
- 穴を掘る道具(剣先シャベル、移植ゴテなど)
- 肥料(堆肥、油かすなど)
1. 汚れても良い手袋
穴を掘っていると出てくる小石や、根っこ、雑草を取り除く際にうっかり素手を使います。
この時期に素手で土をいじくると、爪の間に入ったり、指先のあかぎれ、ひび割れの原因になります。
土で汚れるので、汚れてもいい手袋を使いましょう。
2. 穴を掘る道具(剣先シャベル、移植ゴテなど)
根切り用のギザギザ付き根切りスコップ、もしくは剣先シャベルが使いやすいです。
おすすめは、小さめサイズの根切りスコップ使い勝手が良いです。細かい根などは、ザクザクいけます。
あと、細かいところで移植ゴテを使うので、両方用意したほうが便利です。
穴掘りに移植ゴテを使うときは、こんな感じで持って使うと、手で掘ってる感覚で掘れます。
3. 肥料(堆肥、油かすなど)
寒肥には、有機肥料を使います。
化成肥料は、即効性がありますので、冬に行う寒肥にはあまり向きません。
※肥料の割合と分量(一株あたりの目安)
以下を混ぜ合わせる
- 発酵牛糞堆肥 5リットル
- 発酵油かす 200g
- 骨粉 200g
- ようりん 200g
- 硫酸カリ 50g
一般的な目安です。全て揃える必要はないですが、どれもバラに必要な栄養素なので、加えたほうが、花付きや成長具合は良くなると思います。
ちなみに一昨年は、「牛糞堆肥」と「骨粉入り油かす」だけを混ぜ込みましたが、しっかり成長して、花もたくさん咲きました。
肥料の分量は手で握った感覚で
200gってどのくらい?
だから、200gですよ。
グラム(g)表記されていることが多いので、感覚でわかりづらく、いちいち測っていられないので私は握った回数で測っています。
多少の誤差はあると思いますが。
油かすのひとつかみの重さを測ってみました。多めにつかんで約50gでした。
固形の油かすは、4つかみすれば、約200gってことだね!
粒状の骨粉などは、5つかみで約200gだね!
毎回、はかりで量を測るのは面倒なので、ひとつかみのおおよその量で判断してます。手の大きさによって多少の誤差はあると思いますが。
心配な人は、自分で握った肥料の重さを一度測ってみてください。
堆肥は、8号鉢一杯が約5リットルなので、空いている鉢があれば、使えます。
ちなみに7号鉢で3.3リットル、6号鉢で2.2リットルです。
■今回使った肥料(一株あたり)
- 牛糞堆肥 8号鉢一杯分(約5リットル)
- 油かす 4つかみ(約200g)
- リン酸骨粉 5つかみ(約160g)
- 硫酸カリ 1つかみ(約40g)
寒肥の手順
私は以下の手順で進めています。
■寒肥の手順
- まず、軽く雑草を抜く
- 表面の土を除去
- 肥料用の穴を2、3か所掘る
- 肥料を掘った穴に混ぜ込む
- 穴に土を戻す
1. 軽く雑草を抜く
まずは株元周辺の雑草取り。これが地味に面倒くさいです。
取らずにあるがままにしても良いかな、と思いながらも一応取ってます。
2. 表面の土を除去
結構、背の高い草も伸びてきますし、
ごく小さい雑草の芽なんかもわんさか出ているので、いちいち抜いてたらきりがない。
大抵、表面の土はスコップ(移植ゴテ)で雑草の根ごと剥ぎ取っていきます。
剥ぎ取った土は、後で掘った穴に戻すので、脇にでもまとめといてください。
3. 2、3か所穴を掘る
掘る場所は株元から20cmほど空けて、深さは、30cmを目安にしましょう。
植えた場所にもよりますし、まぁ大体で。
この時に、掘った表面から2、3cmの土と下の土は分けておきましょう。
後で表面の土から先に戻します。
表面の土をキレイにする前に穴掘っちゃってない?
バラの根がどこまで伸びてるか確認したくて掘ってました。ですが、先に表面の土をキレイにしたほうがスムーズに作業を進められます。
10cmぐらい掘ると、バラの白根が見えてくることがあります。
掘ったときに少し切れちゃっても休眠期なので大丈夫です。
見えてきた根先の下に肥料が混ぜ込めれば、ベストです。
4.肥料を穴の中に混ぜ込む
株の廻りに3ヶ所穴を空けたので、
穴1個分の肥料を、投入します。
牛糞堆肥(6号鉢 一杯 2.2リットル)、リン酸骨粉ひとつかみ、硫酸カリひとつまみ、油かす 1.5つかみ
肥料を入れたら、まわりの土とよく混ぜましょう。
ある程度混ざったら、バラの根に肥料が直接触れないように、肥料と根の間に土が挟まるように埋め戻しましょう。
先に表面の土を入れてから、掘った下の方の土を上に被せます。
これで、表面の土と、下の土が入れ替わるので、一石二鳥です。
寒起こしといって、空気に触れていない下部の土を外気の冷風で殺菌する効果も見込めます。
また逆に、表面の土に生息している有用な微生物を殺菌してしまうため、土はひっくり返さずそのままのほうが良いという考えもあるようです。
方法は様々ですが、雑草がいくらか生えづらくなるし、見た目スッキリするので、私はいつも表面と下の土をひっくり返す方法で行っています。
今回は、砂利の替わりにバーク堆肥でマルチングしました。
最後に水をたっぷりやりましょう。
これで、「寒肥」終了です。
春が来るのが楽しみです。
今回はこの辺で。
ありがとうございました。
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