🔶「癌腫」(根頭がんしゅ病)対策
今回は、時折悩まされる「癌腫」(根頭がんしゅ病)対策について
今回のテーマは、バッサリ「切除」と、ガッツリ「消毒」です!


コレですね

コレだね
見つけると、かなりショックです。
見慣れててもショック。
バラの土を替える冬季に、株元や根の土を落とすと見つけてしまうことが
多いのではないでしょうか。

投稿者:ロザリオン
縁側で庭の花を眺めるのが好き。いつの間にやら100本以上のバラが育ってます。

バラに癌腫が出来てもすぐに枯れることは無いですが、放置すると徐々に大きくなり、
根から枝に養分を送るのを邪魔するため、生育不良になります。
状態が悪いと枯れることもあります。
・取り除いても再発
病原菌が原因と言われているので、目に見えるコブを取っても、また再発する事があるので、要注意です。
この病気は、土やハサミなどの道具の流用で感染すると言われています。

我が家にも、感染したバラが6、7鉢ほど有ります。
庭の西側の一画にエリアを決めて、健康なバラと5、6メートル離した場所で管理してます。
ハサミやスコップも、分けて別のものを使ってます。
▼この記事を読むと、以下の事がわかります
・癌腫ができたバラを廃棄する以外の方法
・成長したバラは意外と丈夫
(真っ二つにしましたが枯れませんでした)
※生き物なので絶対じゃないです。
🔶バラ癌腫対策の例
2023年12月は、思い切って、バッサリ「切除」と、ガッツリ「消毒」を行ってみました。

癌腫のコブは指でつまんでちぎると、ポロッと簡単に取れます。
土壌の環境、苗の状態が良い場合、その後コブの再発も無く、
元気に育つケースも過去にはありますが、大抵の場合、再発してます。
・処置後、2年(2025年春)経過するも再発は見られず

バッサリ「切除」「消毒」後、2年後の現在。
枝葉も順調に成長、春に花も咲きました!

良かったー
外見を観察した感じでは再発を匂わすコブの発生も見られません。
とりあえずは「良かった」という気持ちです。
引き続き隔離したエリアで、様子を見ます。
🔶やり方説明
これからやり方を説明していきます。
・準備するもの


・剪定鋏、ハサミ、熊手
※癌腫用に別で用意。(100円ショップでも手に入る)
・ノコギリ
・ビニール袋
・次亜塩素酸水(粉末)
・バケツ
・癒合剤
・赤玉土
◆バッサリ「切除」
悪い組織を残さないように出来たコブだけでなく、周囲の健康な組織も含めて切り取ります。
時期はバラ達が休眠している冬場が安全です。
・ケース1

株元の左側面にしっかりコブが出来てます。
右側面には及んでいない状態。

結構、勇気がいる作業です。
左側面を正常な部分も含めてバッサリと、のこぎりで切除しました。

残した根の量に合わせて、枝も切ります。
切る位置は、芽を1つ2つ残した長さで切ってます。
【Tips】切った枝は挿し木しておく

切った枝を捨ててしまうのは、
非常にもったいないので、
バックアップとして、挿し木にしました。
最悪、枯れてしまった場合でも、
挿し木が成功すれば、2代目が残せます。
私は、水挿しが楽で好きなので、
こんな感じで、ただの水を入れた瓶に、枝を挿しておいて、室内で冬越しします。
◆ガッツリ「消毒」

「次亜塩素酸水」に2、3日漬け込んでしまいます。
切り口とバラ体内にも水を吸わせて消毒します。

体内に潜んでいる病原菌も退治するんだね

多分です
効果はあるのか?
切り口には効果あると思っていますが、内部まではわかりません。
何年かかけて気長に検証していこうと思います。

「次亜塩素酸水」は今回、粉状の製品を使いました。
100〜150ppmの次亜塩素酸水に2、3日漬けました。
「次亜塩素酸水」は、日光に当たると効果が落ちるのが早いので日陰で管理。
毎夕水を入れ替えて、同じ濃度を維持しました。
【Tips】次亜塩素酸は粉末が便利!
粉末状の次亜塩素酸水は様々な製品がありますが、
使い方の説明がわかりやすかったので、「ジアラスターEX」
を選んでみました。

1リットルで0.4gで200ppmの次亜塩素酸水が作れます。
バケツ4.5リットルに漬け込むとして、付属のスプーン3杯というところでしょうか。
保存期間は、粉末状態のままであれば3年後も品質の低下は殆どなく、
水に溶解後は1ヶ月を目安に使って下さい。とのことです。
一般的に次亜塩素酸水は直射日光に当てると効果が落ちるので、
日陰でしばらく漬け込んで見る
日常でも使えるのが嬉しいですね。
・消毒後、切り口に癒合剤を塗る

2.3日苗を消毒したら、切り口が濡れない所までバケツの水を減らします。
切り口に癒合剤を塗って、1日日陰で乾かします。
バケツの水は根が多少浸る程度にしました。
癒合剤が乾いたら、苗を鉢に植え付けます。
・鉢に植え付け
鉢土は、清潔なものを使いましょう。
赤玉土(小粒)がおすすめです。
腐葉土、堆肥などは混ぜませんでした。
小さめの鉢植えで管理したほうが楽です。
来年の冬越しまでは、土は赤玉土のままでいいと思います。
以上で、処置は完了です。
・ケース2

もっとすごい例があったので、ケース2としてご紹介します。
上の画像は切除後ですが、癌腫だらけで根はほとんど残せませんでした。

ずいぶん、小さくなってしまいました。
これで、枯れないかと、とても心配になりましたが、
少しずつ、回復し始め今は元気一杯です。

2年前の状態が嘘だったかのように、今は再発もなく元気です。
・真っ二つにした株元からベーサルシュートが出ている品種も

真っ二つにした株元から立派なベーサルシュートが出てくれました。
本当にバラって生命力が強い!
とても丈夫な植物です
元気に回復してくれて、本当にありがとうと言いたいです。
来年もさらに成長して、健康な姿を見せて欲しいですね。
🔶まとめ

・「根頭がんしゅ病」になったバラはどうすれば?
1 木を土ごと廃棄処分する
2 癌腫を切り取って育てる
・癌腫を切り取って育てる
複数本のバラを育てている場合は、以下の3点です。
1 鉢植えにする
2 他のバラから離して育てる
3 道具は分けて管理、使用後は必ず消毒する
使用する道具はハサミ、スコップなど
他のバラと分けましょう
※土替えした古い土は、廃棄が安心。
私は、黒ビニール袋に入れて日なたで1年ほど放置して消毒。
他の癌腫バラの土として再利用していますが、今のところ再発は無し。
・挿し木にして、2代目に託す
枝を切って挿し木して増やしてみるのも手です。
挿し木した苗が、順調に育ち後の世に託せれば、親木の方は、廃棄する。
というのも方法の1つです。
今回はこの辺で。
ありがとうございました。
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